額面通り

今日はなんでも 正直に

別に特別な人じゃなくても

高校生の時、予備校の冬期講習で「今のところノート取ってましたか、見せてください」って声をかけられたアレには、好意は含まれていたんだろうか。単に話しかけやすかったからなんだろうか。隣の席、または前後の席の人から言われるならまだわかる、真ん中の通路を挟んだ後ろの列、けっこう距離のある席に座ってた男子から声をかけられたことがあって、えっなんでって思ったことがあった。当時めちゃめちゃ流行ってた月9ドラマのヒロインみたいな髪型をしていた自覚があるから、後ろ姿を見ていて、「どんな顔してんだろう」と思われてた可能性はある。見せたノートに連絡先が書いてあったわけでもなかったし、その後話が弾んだわけでもないから、結果彼のことをガッカリさせたのかもしれない。

予備校エピソードでいえば、たまたま隣に座ってた男の子から「アメ食べませんか」ってアメもらったこともあったな。なんか嬉しくて、自分も誰かにやってみようと思ってアメ持ち歩いてみたけど、突然話しかけるのはすごいハードルで誰にも声なんてかけられなくて、結局全部自分で食べたりして、っていうか勉強しろよ。

19歳、合コンめいたものにはじめて行った時、いいなって思った人がいて、たぶん向こうもいいなって思ってた感じで、もう一度会う約束をしたんだけど結局タイミングがあわなくて会うことができなくて、フェードアウトしてしまったやつ。もう名前も覚えてないけど、笑顔がかわいかったことや、彼が着ていたダウンの色、遠くの街の大学に通ってたこと、卒業したら美術の先生になると言っていたこと、バイト先を訪ねた日に限って、彼がお休みだったこととかは覚えてる。

別に特別な人じゃなくても、瞳を閉じれば瞼の裏に思い出すことがあるなあ思った、3月9日の日記。