額面通り

今日はなんでも 正直に

わたしが大月ひなただったころ

小さい頃からラジオを聞くのが好きで、中学生の頃からは深夜ラジオにハマり布団の中でずーっとラジオを聞いていた。高校生になるとオールナイトニッポン2部を朝5時まで聞いて2時間寝て学校に行く、みたいな生活をしていた。夕方や週末はFMラジオ、ただただ音楽が流れてるだけの時間もとても好きで、ああ将来はラジオ局で働きたいな、どうやったら働けるのかな、と、ぼんやり思いながら過ごしていた。

18歳、大学生になって半年が経ったころ。「これ受けたいからつきあってよ!」アナウンサー志望だった友人がもってきたタウン誌に「女子大生パーソナリティコンテスト」の広告が載っていた。ラジオ局の中に入れるの??えーー入ってみたい!!見てみたい!!ただそれだけの軽ーい気持ちで、コンテストを受けた。東京FM系列のその放送局のオーディションはちゃんと本格的で、いやいやどう考えてもわたし場違いだわ、と思いながらも、スタジオに入り、自己紹介、自己アピール、原稿を読む、等々をこなす。絶対受からないよね、受かるわけないよ。そう思ってたからこそ、のびのび楽しくできたのかもしれない。受けに来てたのはたぶん50人弱、そのうち合格者は8人。結果は、わたしは合格、友人は不合格。(結局このことがきっかけで彼女とは疎遠になった。)

そもそもラジオ局に入ってみたかっただけで、アナウンサーになりたかったわけではない自分には、女子大生パーソナリティとしての活動は「無理無理無理!」って思うことだらけだった。”女子大生”のくくりだけで、それまで見ず知らずの、他の大学の女の子たちとキャッキャ番組をやることも楽しくはなかったし、アイドルみたいにイベントに駆り出されることも本意ではなかったし、将来は絶対アナウンサーになりたいセント・フォースみたいなキレイ系たちのギラギラ感、まわりを出し抜いてPやDに気に入られようとするザ・女の闘い感もマジ無理だったし、わりとストレスしかなかった。

約1年の活動期間を終えた後、制作側のアルバイトをするお声がかかるようになった。プレゼント発送とか、イベントの手伝いとか、そんなようなこと。そして大学を卒業する時、そのまま番組制作スタッフとして雇ってもらえることになって、わたしは小さい頃からずーっと思っていた「ラジオ局で働く」という夢を叶えた。好きな音楽を好きなだけ聞ける、好きなアーティストと番組を作る、ティーンの頃に思い描いてた仕事に就くことができた。AD時代はお給料も安かったし、理不尽な目にもたくさんあったし、大変なことも多かったけど、それでもずっと憧れてた世界で働けたことはラッキーだったなと思う。なにがきっかけになるかわからない人生。

カムカムエヴリバディの、今週のひなた(川栄李奈)が辿ってる道が、まるで自分の18歳の頃を見てるようだったので、思い出した気持ち。

ひなた自身、お姫様になりたかったわけじゃないのに「お姫様を探せ!」コンテストがきっかけで、条映に入るんだよね。そこがなんだか、自分と重なった。ひなたはこれからどんな人生を歩むんだろう。楽しみです。